2008.11.23
 山こじ通信
吾野岩登り講習



2008年11月23日(日)生まれて初めての岩登りを体験して来ました。
前々から、縦走のコースに難しい所や、岩場が出てきたらどうしようかと不安で仕方の無い山
行きを重ねていたのですが、遂に機会を得てクライミングの講習に参加する事が出来まし
た。
実は5月頃に講習に参加しようと思っていたのですが(南ア鋸岳縦走の前)、仕事の都合で
参加できず。 今回も・・・
「土曜日の講習は無理ですが、
         日曜日だったら参加できるのですが・・・」
とメールを送ってみたら、
「調整して見ましょう」とお返事をいただき、何とか参加する事ができました。 

当日に参加された方にお尋ねしたら
    当初は佐久での岩登り講習だったとの事です。 
皆様私の身勝手にご協力有難うございました。(汗)

 さて集合は東吾野の駅と言うことで、所沢から電車で向かいました。 
いくら近所でも駐車スペースが分からないと困りますからね。
駅に着くと「八ヶ岳ミキヤツ登山教室」の久野ガイドが既に待っておられました。
今日の参加者は4名で初心者は山こじ高橋さんの2人だけとの事。
その高橋さんとザイルを組む事になりました。 駅から車で10分程の道端で停車します。 
こんな所に岩場のゲレンデがあるのかと思うような道端です。 昔自転車で走った事のある道
です。
ガードレールを跨ぎ、土手を下りてゆくと、そのゲレンデはありました。
見上げると15mはありそうな大岩がデ〜ンと居座っております。
今日はコイツ(大岩)を登るらしいのですが、普通に考えるとありえない話です。
50年近く生きてきましたが、これ程の大岩は見上げるもので、決して攀じ登るなんて大それた
事は絶対に考えない代物です。 
仕事上、足場とか上ることがあっても高所恐怖症の山こじはビビッて近づかないから今まで生
きながらえていたのに、何が悲しくて自分からこんな怖い所に攀じ登らなければ行けないので
しょう?                    (自分で申込んだ講習だからじゃ!!)

先ずは、久野ガイドからハーネスの着け方を学びます。 
早速、持参したハーネスを見せると
「そのハーネスじゃ2〜3回の墜落で壊れてしまうでしょう」
とあっさり言われてしまいました。
このハーネスはCAMP製の軽量タイプで、ショップで購入する際に
「懸垂下降が出来れば良いから軽いヤツ」と言って手に入れた代物です。
 
危険なので久野ガイドのハーネスを借用する事になりました。
ここで、ハーネスのベルトを締めている山こじの様子(腹?)を見た久野ガイド
「山こじさん、痩せましょう!」と簡単に言われてしまいました。
                                   (大ショック!!)



最初は久野ガイドが登り、高橋さんが確保の練習、山こじは横手で見て覚えます。
 
「家を建てたばかりでローンがあるので頼みますヨ〜」
と、久野ガイドが笑いながら言っておりますが、高橋さん山こじも他人の命を預かる事の緊
張で笑うどころではありません!

「何時墜落するか分からないですよ〜♪」
と言うやいなや、パッと手を離した久野ガイド

高橋さん緊張の絶頂の中、確保成功!!  
                       (大汗) 
成功していなかったらもちろん大怪我は間違いない高さからの墜落の確保でした。

久野ガイドは何処の馬の骨か分からない奴に命を投げ出して教えてくれています。
                                        (スゴイ!)
そんなこんなで、山こじも確保の練習を行い、次は2人でペアを組み登攀と確保を交代で練習
する事になりました。

 言っちゃあ悪いが、今日初めて会った初心者同士がお互いの
命のやり取りなんか出来る訳なんか無い! 
自分の確保の技量を信用できないのに他人のソレを信用でき
るか! 
しかし、やるっきゃない!と来たもんだ。(とほほ・・・)
 
「絶対に落ちないゾ」という意気込みで最初の課題に挑戦します。
多少の緊張はありましたが、山こじ高橋さんも難無くクリア。
(お互いに信用していないから絶対に落っこちる訳にいかない)

ほっとして休んでいると、久野ガイドが・・・
「登れたでしょう! 次はこっち!」
と今までとは逆にザイルを使い、確保側が持っていたザイルを結んで攀じ登るように指示。



たった2mばかり横にずれただけなのですが、難易度が格段に変ってしまいました!
15mのうちの最後の2m位が難しいのです。 
ここで生まれて初めての墜落の体験をしました。
しがみついている左手が震え、爪先だけで踏ん張っている左足が痙攣し、右足は爪先で岩の
面を突っついているだけ、この体勢では墜落してしまう!!!。
一か八か体を伸ばし右手で岩を掴み起死回生の一手を狙いましたが、無常にも掴んだ岩は
なだらかで指が掛からず・・・
      ぶら〜〜ん!!

以外にも衝撃も何も無く、しっかり高橋さんに確保されていました。 
落ちたといっても50p位でじつにあっけない出来事でした。 
墜落を経験し確保の安心感も手伝って4〜5回墜落しながらもトライを続けましたが、腕が疲れ
きってしまい、降ろしてもらいました。  (残念!)
 次は高橋さんの挑戦です。 確保にまわった山こじに緊張が走ります!
核心部までスルスルと流れる様に登って行きます。
山こじの後ろで見守っている久野ガイドや他の人が高橋さんの登攀ぶりを見て感心していま
す。
「本当に初めてか? いきなり上まで行けるんじゃないか?」
とべた褒め状態です。
素人目で見ていても、山こじが悩んだり手こずった所をすんなりと通過している様です。
  (チト、口惜しい・・・)
そしてついに核心部。 やっぱり悩んでいる。 
左手がツライ!
左足は今にも滑りそうだ。
右足は爪先で岩をツツツッと小刻みに滑らせて探っている。
右手のホールドが欲しい!

・・・・・・(汗)、   ・・・・・・(汗)、   ・・・・・・(汗)。   (この間いわゆるセミの状態)

高橋さん、限界を感じたのか「降りま〜す!!」のコール。

「ダメ〜!!」下にいる全員が大合唱!!
「まだ落ちていないでしょ! 
               落ちるまでやらなきゃ!!」久野ガイド

高橋さんが体を伸ばし右手のホールドを捜す! 
もう少し! 
あとチョット!!
右手が掛かる!!! つるり・・・墜落!



山こじ、すかさず確保! ぶら〜〜ん。 屈辱のぶら〜〜ん。
疲れきった高橋さんをザイルで降下させました。 すごい汗が流れています。
一回目のチャレンジは二人とも失敗に終わりました。 
でも、顔には挫折の色はまったく無く
       「よしっ今度こそ!!」と闘志に燃えた目での帰還でした。 
ここで久野ガイドが登り核心部での、ホールドのマーキングと重心の移動etcのレクチャーをし
てくれました。 

山こじ二度目のトライ!
核心部までは難無く攀じ登る、ここからが問題です。
左手で岩を縦に掴み上に体を引き寄せ、
左足を1cm×1cmくらいのステップに乗せる。
   指の爪くらいのふざけた様な面積(?)に体を預けるのだ。
次に右手が掴んでいる岩の割れ目の下部に右足を掛ける。 
右足で岩を蹴り体を突き放す様に押しながら左手は体を岩に引き寄せるように渾身の力を出
す。
その間に左足は少しずつステップの位置を上にずらす。 
30cmほど上がったら瞬時に右手を離し、左手の掴んでいる岩の更に上部を掴む。 
後は両手で体を岩に引き寄せ、両足は岩を突き放し、岩の面に90度の角度で歩くようにして
最上部のテラスに体を投げ出した。
やったぁ〜!!登れた!! 満足の顔で降下。





この後三度目のトライ! 
山こじは登れなかったが高橋さん遂に登攀成功!!

2個目の課題をクリアした時点で
         時間切れとなり、講習終了!!
山こじ高橋さんも満足の顔で一日を終えました。

久野ガイドに聞くと
最初の課題のグレードは5.7位で、2本目が5.9+位で6級位の
難易度らしいです。     (さっぱり分からん!) 

後で聞きましたが、高橋さんは1週間ほどジムに通って今日に備えたそうです。 
今、山こじもジムに通うかどうか悩んでます。
今回の岩登り講習は実に有意義でした。 
 これからの登山(もちろん北鎌を視野に入れた登山です)に必ず役に立つと思うし、
クライミング自体の楽しさを発見したと思います。
ゲームとしてのボルダリングが流行っているのが分かる様な気がしてきました。


左より高橋さん、本間さん、久野ガイド、牛越さん

      久野ガイド、ザイルパートナーになっていただいた高橋さん、本間さん、牛越さん
                            楽しい一日をお付き合い下さいまして有難
うございました。



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