野宿もやった
夏バテキャンピング

1976・8・23(1日目)
 朝5時半、眼が覚めるやいなや大急ぎで霧の中を集合場所の入間市駅に向かって出発し
た。
入間市駅に3人(河合・牧野・私)が集まってから死ぬ前の記念写真をパチリ!
                                        (縁起が悪いな!)
           真理(河合)                  牧野(三蔵)



                          山こじ

 さあ〜いよいよ長い旅の始まりだ〜!!
走り出してからも、まだキャンピング装備のフロントサイドバッグに慣れていないせいか(河合
と私は初めてのサイドバッグを付けての走行)ハンドルが落ち着かなかった。
八王子を過ぎてから思いもよらない峠があった。ア〜シンド・・・読図不足を反省。(ハイ)
 津久井湖に着きアイスを食べ休息。(フー) 
ここまでは良かったのだが、道志への分岐点を通り過ぎ鼠坂を登ってしまった。 店で道を聞
いてやっとわかった、と思ったらまた間違えた。 警察官に道を聞いたが、また間違えた。 次
にトラックの運ちゃんに聞いてやっと分かった。(バッカみたいだ)  
 1時間以上ロスを出して出発。
 それからは道志街道が長〜くて、いやになった。ペダルをいくらこいでもひたすら道は続いて
いて、 陽が暮れても、まだ峠に着かなかった。
こうなったらしょうがないと野宿(もともとテント泊じゃなかったっけ?)を覚悟して店で食料を買
って出発。  それから約1時間後、山伏峠頂上のトンネルを潜った。(やった〜) 
 約5q位下ってやっと山中湖に到着。 それから急ぎキャンプ場を探しに走った。
 結局、今日の寝ぐらは小田急キャンプ場に決定! 飯ごうでご飯を炊き、さば缶をおかずに
食事を済まして寝た。(オヤスミナサイ)  
                                      本日の走行168.0km

 (2日目)
 今は真夜中です・・・なぜ起きているのか? 
それは憎たらしい牧野(三蔵)が何度も私(山こじ)からタオルケットを奪うので寒くて眠れない
のである。(まったく寝相が悪い!) 
そんなこんなで、やがて朝ぁ〜。 富士山がとてもきれいだ。
 あんな寝方でも若さなのか、昨日の疲れなど吹っ飛んで元気はつらつ! 
テントをたたみ各自、自転車を整備して出発。
                       山中湖にて

       牧野(三蔵)と真理(河合)            山こじと三蔵  
 山中湖〜富士吉田までは道は緩やかな下りなので楽だったが、富士急ハイランド・河口湖と
登り坂になり少々疲れた。 お店でパンを買い河口湖にて朝食を摂った。
 朝食も終わり腹も落ち着いた所でTシャツとGパンを湖で洗濯(?)をした。 これが後でとん
でもないことになるとは・・・・。
河口湖から西湖へは鳥居峠という小さい峠にアタック。 しかしキャンピング装備の我々は登り
きれず、「ランドナーだったらな〜」と言いながら結局押すことになった。
 峠のトンネルを抜けると西湖だ。 気持ち良く下りを飛ばしていると小石に乗り上げパンク。
昨日も2回パンクしているので穴が6箇所もあいてしまいチューブ毎交換する。


               西湖畔を走る三蔵(先頭)と山こじ 
 精進湖・本栖湖と写真を撮っただけで通り過ぎ、だらだらの坂道を上り詰めると割石峠。 今
までのうっぷんを晴らすように飛ばしに飛ばし長い朝霧高原の下りを車を抜きながらガンガン
走る。 
 やがて白糸の滝につき観光休憩。 しかし我々は汗やらなにやらの匂いがものすごく臭いの
で、迷惑をかけぬよう早々に退散。(さっきの湖での洗濯での藻の匂いがすごいのだ)
 富士宮・富士と順調に走り沼津を目指して走る。
沼津に着き、キャンプ場を探すが、そこは大都市の工業地帯有るわけがなく、そのまま伊豆の
大瀬崎まで走る羽目になる。 
 2日連続、暗い中でテントを張りご飯を炊きレトルトカレーで夕食とした。 
                                      本日の走行177.8q

 (3日目)
 伊豆の西海岸はまったくいやになる。
 大瀬崎〜戸田〜土肥と入り江の港が町になって栄えた所だが、その町の間は上り下りの連
続でへばってしまった。(伊豆の海岸は断崖絶壁です)

           大瀬崎〜戸田村にて欠食児童?原住民? 


 途中の観光ポイント、黄金崎に立ち寄った。



 今日は疲れたので寝ぐらは松崎と話し合いで決定しのんびりと走る。 松崎に着いてから分
かったのだがこの辺ではキャンプ禁止らしい。
              (国立・国定公園内では指定場所以外はキャンプ禁止が常識です) 
自家製パン屋で食パン1斤だけを買いブリキ缶の中のパンの耳を大量に貰い、いざ海へ。
 元気な真理(河合)と牧野(三蔵)は海で泳いでいた。 さあどうやって夜を過ごそうかと思っ
ていると、運のいい事に海水浴シーズンが終わり人のいなくなった水泳監視所がある。  
そこでポールを立てないテントに潜り込み就寝。 
                                      本日の走行77.0km

 (4日目)
 予定とずいぶん狂ってしまったので伊豆半島一周をあきらめ半島横断と決定し、小雨の中を
出発。 松崎から大して苦労もせず婆娑羅峠を越え河津に着く。


 
途中の山沿いの道は地震の傷跡も生々しく復興作業の真っ最中だった。
                            (前年、伊豆半島沖地震が起きる)
 伊豆の海岸沿いの道は西の東もアップダウンの連続で疲れる。 川奈付近で雨宿りを兼ね、
コインスナックに入りカップうどんを食べ暖をとる。 さて出発と思いきや、いきなりの大雨。 
まるで嵐の中を行くようだ。 ポンチョもヤッケも着ている意味がなく、ずぶ濡れになる。
 やけくそになって走るが、なかなかキャンプ場が見つからない。 
牧野(三蔵)は分岐を通り過ぎてドンドン坂を下ってしまうし、精根尽きて果てて、今日はYHに
泊まろうと決める。 しかしYH(ユースホステル)は予約が原則、そして会員制だ。 我々は飛
び込み、しかも非会員。 
YHの玄関でオーナーに頭を下げお願いすると「あなた方のその格好を見たら断れないでしょ」
と宿泊OKをいただけた。 我々の格好とは全身ずぶ濡れで足元には水溜りができるほどひど
いものだった。  YHでの夕食はお替り自由だ。 久しぶりのご飯+コロッケ+サラダとあって、
大喰いの真理(河合)は5杯目を食べ終え6杯目で断られた。
YHではミーティングがあって真理(河合)がガッチャマンをやって皆を笑わせた。
10時20分就寝             (今となっては何をやったのか山こじには記憶がない)
 。                            本日の走行71.0q

 (5日目)
 朝、目覚めると窓から富士が見えていた今日は快晴だ。
 YHの朝食はパン+サラダ+コーヒーだったが、ここでも真理(河合)は早い者勝ち!と一度に
食パン1斤をたいらげた。


           三蔵                         真理(河合)
10時頃お世話になった皆さんに挨拶をして出発。
熱海では「お宮の松」を探すも見つからず、ひたすらゆるい登り坂を走り小田原到着。
ここでパンの耳で昼食にする。(パンばっかりだ) 本丸近くの動物園では象がスキップしてい
た。(と書いてあったのだが・・・本当か?記憶に無いぞ!)
 平塚の近くで真理(河合)がホームシックになったのか「今日中に帰ろう」と言い出す。
予定ではあと1泊することになっていたが仕方がない。 
厚木を過ぎたところでまた道を間違え、半原隧道を通ってしまい余計なアルバイトをしてしまっ
た。 八王子からはまたも雨が降り出し七国峠を越えやっとR16に出た。 
多摩川の橋で真理(河合)がパンク。 瑞穂でも、今度は前輪がパンク。 最後までパンクにた
たられたツーリングも入間市駅に着きやっとゴールイン。 ジュースで乾杯して解散となった。 
自宅には10時20分着。                         本日の走行160.0km



 データ (1976年8月23日〜27日)
             
全走行距離 653.8km    費用1人当たり5700円

    朝      昼       夜
 8月23日     ・・・・     弁当   ご飯+さば缶
 8月24日    パン+水  パン+コーラ+梨   カレーライス
 8月25日   カレーライス   パン+ハイC    パン+水
 8月26日   パンの耳+水   パンの耳+水   伊東ユース
 8月27日   伊東ユース   パンの耳+水      ・・・・


振り返って・・・
 しかしナンボ若いとは言え、よくこの食事でパワーが出たものだと、我ながら感心する。
 この1976年は、まだ世の中にコンビニエンスストアなどなかった時代で、田舎に行くと店
と言ったら万屋(よろずや)さんしかなかった。  店の前に袖カバーや野菜の種、ガラスケース
にはいつのかわからないようなパン類があり奥の棚には何年まえから埃をかぶっているのか位
置の変らない缶詰めなど・・・。  外壁には金鳥蚊取り線香・アース渦巻き・オロナミンCドリン
クの眼鏡のずれた大村昆ちゃん・ボンカレーの松山容子・・・・。
 そういえばお金をおろすだけでもカードなど無い時代だったから郵便局の場所をチェックし
ていたな〜。

   注)赤字は今回山こじが編集したものです
     なお30年も前の文章で読むに耐えない部分が多々ありました(笑)ので原文を損な
     わない程度に手を加えました



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