2007. 8. 12〜14
山こじ通信vol.23
槍ヶ岳(表銀座コース

♪♪ギンジャギンジャぎんじやっ ギンジャギンジャぎんじゃっ
         憧れ〜ぇ〜ぎんじゃぁ〜♪♪




                                               『槍ヶ岳(3180m)』
                              
                              今さら槍ヶ岳について語るのも愚かなくらい、周知の山である。

                               三千米を超える高さと言い颯爽とした鋭い形と言い、わが国の山の中で最もユニークな存在である。
                            現在では上高地から槍までの途中に幾つも小屋ができ、夏は登山者が列をなしている。
                            一生に一度は富士山に登りたいというのが庶民の願いであるように、いやしくも登山に興味を持ち始めた人で、
                            まず槍ヶ岳の頂上に立ってみたいと願わない者はないだろう。

 深田久弥 「日本百名山」より


   山行き行程(2泊3日 2007,8,12〜14)  
第一日目(予定歩行時間 7時間50分) 撮影+小休止含み 9時間04分
 ヘロヘロの初日
  06:25・・・・・・・・・・・・・10:00〜10:30 ・・・・・・・11:45〜12:10・・・・・・・・12:43・・・・・・・・13:24〜13:30・・・・・
 中房温泉 (3:00) 合戦小屋 (1:00) 燕山荘 (0:30) 燕岳 (0:30) 燕山荘 (2:10)
 1462m・・・・(3:35)・・・2706m・・・(1:15)・・2375m・・(0:23)・・2763m(0:41)・・2375m・・(2:53) 
 16:43・・・・・・・・・・・17:00
 分岐 (0:40) 大天荘(テント泊)
 ・・・・・・(0:17)・・・2850m
第二日目(予定歩行時間 6時間35分) 撮影+小休止含み 10時間58分
 さらにヘロヘロの二日目
  05:30・・・・・・・・・・・・05:40〜05:50・・・・・・・・・06:00・・・・・・・・・・・・・・・06:30・・・・・・・・・・・・・・
 大天荘 (0:10) 大天井岳 (0:10) 大天荘 (0:30) 大天井ヒュッテ (2:30) 
  2850m・・(0:10)・・・2922m・・・(0:10)・・・2850m・・(0:30)・・・2650m・・・・・・・(3:06)
  09:36〜09:45・・・・・・・・・・・・・10:52・・・・・・・・・・・・・13:37〜13:50・・・・・・・・・・・14:00〜14:30・・・・・・
 ヒュッテ西岳 (1:00) 水俣乗越 (2:00) ヒュッテ大槍 (0:15) 殺生ヒュッテ (0:40)
  2680m・・・・・・・(1:07)・・2480m・・・(2:45)・・・・・・・・・・・・・・(0:10)・・・2900m・・・・・(0:40)
  15:10・・・・・・・・・・・・・・・16:51・・・・・・・・・・・・・17:10・・・・・・・・・・・・・・・17:30・・・・・・・
 肩の小屋 (0:30) 槍ヶ岳 (0:30) 肩の小屋 (0:20) 殺生ヒュッテ(テント泊)
  3080m・・・(1:41)・・3180m・・(0:19)・・3080m・・・・(0:20)・・・2900m
第三日目(予定歩行時間 7時間35分) 撮影+小休止含み 5時間30分
 韋駄天の如く歩き抜いた最終日
  05:30・・・・・・・・・・・・・・・08:00〜08:30・・・・・・・・・・・09:12・・・・・・・10:00〜10:30・・・・・・11:22・・・・・・・
 殺生ヒュッテ2:45) 槍沢ロッヂ (1:30)  横尾 (1:10) 徳沢 (1:10) 明神 (1:00)
  2900m・・・・(2:30)・・1825m・・・・・(0:42)・・1620m・(0:48)1562m・(0:52)1530m・(0:38)
   12:00
 上高地
  1504m


槍、やり、・・・。 何と言っても、この山と富士山を知らない人はいないだろう。
登り着いた頂上で知らず知らずのうちに捜してしまう山だ。
山こじが登山を始めた当初の目標が槍ヶ岳であった。 
周りの人々は「槍には登ったのか?」と簡単に聞いてきたものだ。
「そんなに簡単に初心者が行ける山じゃないよ」と何回も言い返してきた。
 槍ヶ岳は、それなりに山の経験を重ね、山の良さ、厳しさ、難しさ、すばらしさ・・・などを各
人なりに持って初めて向かうべき山だと思う。 
山岳ガイドにおんぶに抱っこで連れて行ってもらう山では断じて無い!
いきなり登っても槍の素晴らしさは分かるまい。 その前に登山の素晴らしさすら分かっている
のか怪しいものである。 物には順序というのがある。
地元の低山から始め、「登り・下り・岩場etcの歩き方」「装備」「天候変化への対処法」、
それら全ての事に気配り・判断が出来る能力・体力が必要であり、かつ余力をどれだけ
持っているのかが重要である。
山こじは持っているのかって?  
                        う〜〜ん・・・黙秘権を行使します

8月11日
23:57新宿発「ムーンライト信州・快速白馬」穂高へ向かう。
さすがにお盆休み真っ只中なので、満席だ。 迷惑な事に、山こじの後ろの席には、黒人の酔
っ払いの2人が席をとった。 
はじめは英語のヒヤリングでもと思い聞き耳を立てていたのだが、ばかばかしさと声のでかさ、
酒の匂い、もう一つ外人特有の体臭に悩まされた。 騒々しい2人は立川駅で下車してくれた
のでヤレヤレだ。

 

8月12日
ウトウトしただけで睡眠不足の状態で穂高駅に到着。05:00
すかさず、乗り合いバスで中房温泉に向かう。 1610円也。
バスの中では、名古屋から来た栗田君と話しがはずみ楽しい時間を過ごせた。
中房温泉は既に登山者で溢れかえっていた。06:30

 

売店の横から登山道に入る、さすがに大混雑だ! 集団が次々と急登に挑戦して行く。
疲れた人が休みたがる頃にはちゃんとベンチがあったり、よく整備されていて登り易いのだ
が、これに甘んじていると集団に飲み込まれて抜け出せなくなってしまう!
しかぁ〜し、ザックが重いので集団を出し抜く体力がない! 

 

集団登山のスタイルで合戦小屋に到着。10:00
鎌倉から来た前田君と出会い話しがはずむ、彼とは槍ヶ岳までコースが同じだ。

 

出発前に体重計で体内年齢を調べてみたら空身で31歳、20`超のザックを背
負うと・・・な・なんと69歳だった。 
だから、集団登山から抜け出す余力など無い筈だ。
合戦尾根北アルプス三大急登と言うらしいが、まだまだ始まったばかりの登山でへばるわ
けにも行かず、ひたすら辛抱の連続だ。 やがて、燕山荘が見え始め最後の階段を登ると・・・



絶景がお出迎えだ〜〜!!11:45

 

ひと休みの後、空身で燕岳を往復した。 自然の作り出した奇岩を鑑賞した。

 

 

いい加減に体は疲れているのだが、我々テント組はこの先の大天荘まで頑張らなくてはいけ
ない! すでに燕山荘のテン場は一杯なのだ。13:10
 途中、大下りなどありがたくもない所もヘロヘロになりながら過ぎる。14:34

 

・・・おっ野生の猿だ!!

 

最近はも出るらしいがなら可愛いものだ。
前方に大天井岳が見え、大天荘も小さく確認できた。
 が・・・テント組はゲッソリだ!
     あんな所まで行くのかヨ〜!  ・・・正直な気持ちだ。



ゴルゴタの丘を十字架ならぬ、重いザックを背負った一団が会話もせず、ひたすらぜぇ〜はぁ
〜ぜぇ〜はぁ〜と汗にまみれて登る。ついに大天荘に到着!17:00
今日はもう歩かなくていいんだぁ〜!!

 

夜中はすごい風でテントが持っていかれるかと思うくらいだったが皆はぐっすり眠っている。 
山こじはベンチレーターの所をつかんで起きて居たが、夜明けにはまだ時間があるので、 
どうにでもなれっ!と開き直って再び寝た。

8月13日
朝っ。快晴だ! 朝焼けの頂上へ空身で登り景色を満喫した。



 

今日はいよいよ憧れの槍に立てるんだと思うと気合が入る!!
しかし、今日も行程が長く、降り注ぐ陽射しが痛い! 大汗を掻きながらひたすら牛歩戦術
進む。 
途中なんでもない所で転んでしまった!
 今回は捻挫は免れたのだが、浮石につまずいて土下座の格好で踏みとどまったと思ったら、
ザックの重みで額を地面に押し付けてしまった。 ひたすらあやまっているのに許してもらえず
土下座している頭を足でグリグリされた格好だ。 
とっても痛かった〜〜!!!  流血じゃぁ〜〜!! 
でも、ちょっと間違えたら貧乏沢「いらっしゃい」だったから不幸中の幸い?  いや、災い
だよね! 
北アルプスが呼んでいるとは言ったが
        貧乏には呼ばれたくない!!
やがて、絶景の展望台に到着。

 



この後、ヒュッテ西岳に到着!09:36
今回は西岳の山頂はパスした。 体がもちませんハイ!
ここからは、いよいよ東鎌尾根の難所が始まる。 水俣乗越への急な下りやと言われる所
の長い梯子だ。 緊張の連続で乗り切る。 カブリ岩を過ぎヒュッテ大槍に到着。13:37

 



ここで、大天荘で出会った横須賀の小沢君の案に乗り殺生ヒュッテに向かう。
肩の小屋はテン場が狭く、すでに一杯だろうからテントを設営後、空身で槍穂を目指すのだ。
 殺生ヒュッテに着くと小沢君がいた。 
彼にちぎられてから、今まで会えなかったのだが、ヒュッテ大槍でも入れ違いで出発したらし
い。  やっと追いついた♪

 

テント設営後、サブザックで肩の小屋を目指す。 ザレ道で登り難い。 
肩の小屋に着き、すぐに渋滞している列に並ぶ。15:10
並ぶといっても、ジェットコースターではなく、場所によっては岩にしがみついた状態なのだ。 
吹き上がって来る風に身を晒していると寒い! フリースを持ってきて正解だった。 
半そで・半ズボンの人などは諦めて降りてしまった。 
しかし、ここまできたら待つっきゃないっ! 
♪わたしっ待ぁ〜つぅわ 
       とことん待ぁ〜つわ♪

 



念願の槍の頂に立つ!16:57
肩の小屋に降りてくると17:10だ。 実に2時間もかかってしまった。 急いで殺生ヒュッテまで
降り、やっと食事だ。今日は大満足の一日だった。

 



8月14日
名残惜しいが、今日は時間との勝負だ! 12時頃には上高地に着かないとバスが取れるかど
うか心配だ。 
朝焼けの槍の姿を瞼に焼付け出発! 05:30   



鎌倉の前田君、横須賀の小沢君、良い山旅を!! 
途中の坊主のノ岩小屋も写真を撮るだけでガンガン下る。
ババ平で水を汲み07:39、槍沢ロッジ08:00

 

 

ここで、やっと休憩。 ここで出会った山岳トレイルの人は殺生ヒュッテから1時間で着いたらし
い。 山こじは2時間半も掛かっているというのに・・・。
恐るべし、山岳トレイル! ザックを交換してみたい!?
二の俣、一の俣、槍見河原、横尾を通過して徳沢に10:00。
さすがに、疲れた。 ここで大休止をした。 
            ビールをグビッとやる、最高!!



ここからも、競歩のごとく、
  歩くシケイン状態のハイカーをよけながら
          セナのように突っ走る。(わかるヨネ)
梓川の流れと穂高の見え方で上高地に近づいてきたのがわかる。 
24年ぶりの河童橋はまだか! 
前方の人だかりはなんだ? 河童橋だ! 上高地に到着。12:00

 



24年前に見られなかった景色を堪能できた。
バスターミナルは、人・人・ひとでごった返している。バスの順番なんか何時になるかわからな
い状態だった。
ここで、女性が「松本までタクシーの相乗りでいきませんか〜」
                                               と叫んでいる。
山こじ以外にも男性2人とその女性の夫婦で5人で一人当たり3000円で松本まで行けた。
とってもラッキーだった。 今度からこの手で行こう。
松本駅では特急あずさ新宿まで、あっという間だった。
所沢には17:30。 自宅には18:00に到着。
12時間ほど前には槍ヶ岳の麓に居たのに早いものだ。
この山旅も同じくらいの早さで思い出にかわるのだろう


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