2010. 4. 9
山こじ通信vol.33
表妙義山縦走
(妙義神社〜石門)
茨尾根のピークから金洞山(鷹戻し・東岳・中之岳)
山行き行程(2010.4.9)
|
第一日目(予定歩行時間9時間45分) 撮影+小休止6時間56分 |
・・・・・・・・・・・・06:02・・・・・・・・・・・・・・06:40・・・・・・・・・・・・07:23・・・・・・・・・・08:02・・・・・・・・・・・・・
道の駅 妙義神社 (0:45) 大の字 (0:50) 見晴 (0:55) 天狗岩 (0:15) ・・・・・・・・・430m・・・・・・(0:38)・・・・・・・・・(0:43)・・・・・・・(0:39)・・1084m・・(0:13)・・
・・・・・・・08:15・・・・・・・・・・・・・・・・08:29〜08:39・・・・・・・08:51・・・・・・・・・・09:26・・・・・・・・・・・・・・
タルワキ沢のコル (0:20) 相馬岳 (0:20) 分岐 (1:20)茨尾根ピーク (0:10) ・・・・・・・・・・・・・・・・・(0:14)・・1104m・・(0:12)・・・・・・・(0:35)・・・・・・・・・・・・・(0:12)
・・・09:38・・・・・・・・・・・・・09:54・・・・・・・・・・・・・・10:22・・・・・・・・・・・10:52〜11:14・・・・・・・11:42・・
ホッキリ (0:30)女坂分岐 (0:50) 鷹戻しの頭 (1:00) 東岳 (0:20) 中之岳 ・・・・・・・・・・(0:16)・・・・・・・・・・(0:28)・・・・・・・・・・・・・(0:30)・1094m・(0:28)・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・12:02・・・・・・・・・・・・12:24〜13:15・・・・・・・・・・13:29・・・・・・・・・・・・・・13:52・・
(0:15) 主稜のコル (0:20) 石門広場 (0:20) 石門入口 (0:35) 大人場 ・・(0:20)・・・・・・・・・・・・(0:22)・・・・・・・・・・・・(0:14)・・・・・・・・・・・(0:23)・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・14:21
(0:40) 道の駅みょうぎ ・・(0:29)・・・・・・・・・・・・・・ |
久々の山行きだ!
今年は登山人生で最大の挑戦(・・・大袈裟な)を予定しているので岩トレがてら表妙義山
縦走に出かけた。
テン泊の無い日帰りの山行き自体が久々なので、ザックの軽い事軽い事。
今日は楽勝!・・・かな?
久々の早起きで眠い。 顔を洗って出発。03:00
関越道を走るのは何年振りだろう。
東所沢ICから合流して、渋滞の無い快適なドライブで松井田妙義ICから高速を降りて「道の
駅みょうぎ」に到着。05:00
夜明け前なので、ちょっと空が薄明るくなった位だ。車中で朝飯代わりのパンを頬張り、まずは
小休止。
次第に空が明るくなってきた。
9時頃からは晴れる予報だが、雲が低く展望は期待出来そうにない。 ザックに雨具と、せっか
く持ってきたのだからと、ヘルメットとハーネスと10mの補助ロープを入れて出発。06:02
大きな鳥居を潜り、上を見ると山の中腹に大の字が見える。
鎌倉や京都の大文字の篝火と同じ意味なのだろう。
神社を抜け、登山カードの箱が設置してある所が白雲山登山口になる。06:10
暫くはハイキング気分で歩いて行けるが、日頃の運動不足がたたり、汗が吹き出てくる。
ザックが軽いので休憩は必要ないが、早くもタオルは汗を吸い込んでびっしょりだ。
大の字到着。06:40
麓から見上げた時は、ステンレス製かと思っていたが、ペンキを何回も塗り重ねて錆から守り
現状をやっと維持している様な古い物だった。
更にハイキング道を歩き、辻に到着。06:57
ここで、ハイキング道は中間道に向かい、奥ノ院方向は「キケン 上級者コース」と分かれ
る。迷わず、奥ノ院に向かう。(えっ!上級者なのか山こじは?)
巨大なチョックストーンが見え、その下が奥ノ院だ。07:04
縦走の安全を祈願して、右のルンゼから垂れている鎖に取り付く。3連30mの鎖や、7m外傾鎖
をクリアして見晴に到着。07:23
ここからは、稜線に伝いになるので見晴らしも良く、風も冷たい。 寒くて立ち止まってなんかい
られないので、白雲山山頂を通り過ごし、玉石、大のぞきと通過して、30mのスベリ台状の鎖
で鞍部に下りる。上から見下ろすと高度感があるが、足元のグリップも良いので案外簡単であ
る。
片手で鎖を持ち、握力の加減で手の中の鎖を滑らせリズム良く降りられる。
少し歩き、天狗岩に到着。08:02
写真だけ撮り、木立の急斜面を降りてタルワキ沢のコルに到着。08:15
山道を登り返し、表妙義最高点相馬岳1104mに到着。
ここで一本取りパンを少しと初めての給水を摂る。
10分休憩して分岐に到着。08:51
注意の看板が出てきた。
『この先、鷹戻し付近滑落死亡事故が多発しています。
上級者でも非常に危険な箇所です。
ザイル等の装備のない方は登山を自粛してください。』
いよいよ核心部になってきた。(ワクワク♪ドキドキ?)
展望を楽しみながらズンズン歩き、鹿窓のような穴のある茨尾根のピークに到着。09:26
ホッキリ到着。09:38
さらに看板が出てくる。
『この先危険!!
この先、金洞山縦走コースは、
けわしい岩場が続き、大変危険です。
"安全第一、楽しい登山にしてください"』
とある、(はぁ〜い、楽しんでまぁ〜す)
女坂分岐を過ぎ、いよいよデンジャラスゾーンに突入だ。09:54
(んっ! 鷹戻しはここか?)
数段の鎖とハシゴで計50mの登りだ。とりあえず下から見上げた写真を撮って登り始めた。
最初は傾斜も大した事なく順調に登って行けたが、途中からオーバーハング気味になって腕
力でねじ伏せるような登り方が必要な所があり、右にトラバースしてハシゴを登り鷹戻しの頭
に到着。10:22
ちょっと拍子抜けの感があったが、(こんな物か?)と納得して下りにかかる。
途中、山肌から木々と表土が根こそぎ剥がれかけている箇所を通過した。
この方が気持ち悪い! 信頼している肩のような道がそっくり無くなってしまうのだから滑
落するしかない! 妙義山の山肌はこの様にして風化が進んで行くのだろう。
ルンゼ内2段25mの鎖を降りて鷹戻しを終了し、東岳の2段の痩せた直立岩場5mに臨む。
最後通牒の看板!!
拍子抜けするほどあっけなく東岳到着。10:52
素通りのつもりで降り口は何処か?と捜す。それらしいルンゼが2箇所ある。
片方は登る事は易しいが降りるには手掛かり足掛かりが無さ過ぎるので却下。
もう一つの方は、アンカーが上部に一点だけあり、降りた形跡がある。
(ここは懸垂だな!ザックに入れてきて良かった♪)
用心にザイルを複数点で保持させる為、利用出来る灌木はないかと引っ張ってみたら、表土
の土ごと抜けてしまう。
(こりゃダメだ!)覚悟を決め、先ずは腹ごしらえだ。
パンを頬張り大休止を摂る事にした。11:14
食事を済ませ一点のアンカーにザイルを通しダブルにして投げてみる。
地図の表記通り、5mの落差だから、10mの補助ロープをダブルで使用できる。ショックをアン
カーに与えないようにゆっくり体重を預け懸垂下降。 降り着いた棚は30センチほどしかなく、
細い木々に引っ掛からずに落ちると、あと100mは落ちて行きそうな谷だった。
棚を回りこみ落石を避ける位置でロープを回収。
降り着いた所から観察すると、却下したルンゼは逆コースで登りだったら大した事はないと思
われる。 懸垂したルンゼのアンカーにはトラロープが設置されていたのだが、地元の事故対
策の方針で撤去されたのではないかと思うが・・・確かではない。
懸垂したルンゼ 登りだったらこちら
<群馬県で遭難の多い山域と言うと「谷川岳」と「妙義山」らしい。
谷川岳は岩登りのクライマーの滑落事故が殆どだが、妙義山は初心者や中高年ハイカ
ーが手に負えない上級者コースに迷い込み、鎖場で力尽きた結果、手を離しての墜落
死亡事故が多発しているらしい。
「妙義山系山岳遭難防止対策会議」が昨年12月16日に、警察と地元行政と山岳会で話
し合いがなされ、今年2月の会議で鎖等の撤去を行なう事に決まったらしい。
登山者の安全の為とは言え、看板等の告知では事故が減らないのでやむ負えない措置
らしい。 以上 2チャンネルからの情報>
更に進むと祠のある中之岳に到着。11:42
急な2段の鎖を降りると、前方に危なっかしいトラロープが岩頭に巻いてある。
岩頭を避け踏み跡の明瞭な左側を巻こうと進んでみたら道が無くなってしまった。 戻って覚悟
を決めてロープにしがみつき、岩頭に立つと先に続く道は無く、またも後戻りだ。
岩頭の右側のジメジメした斜面に踏み跡を見つけ進むと、西岳への道を塞ぐ様にテープが張
ってある、主稜のコルに到着。12:02
ルンゼに張られた鎖を辿り、石門広場に到着。12:19
今日の行程は終了したので不要になったザックの予備水で顔を洗い大休止。 ハイキングに
来た年配の方と趣味の話でくつろぐ。13:15
石門入り口。13:29 大人場。13:52 道の駅みょうぎ。14:21
感想
表妙義山縦走は当初の感じのとおり、フィールドアスレチックみたいで楽しく歩
けました。
しかし、危険や不安の感じ方は個人々違うので、対処の出来る装備が必要だと
思います。
今回は稜線上では誰にも遭遇しなかったので、鎖場渋滞などなくマイペースで
歩けましたが、他の登山者がいたり同行者がいる場合はヘルメットは必要で
す。
ネットで妙義山縦走の情報を探していると、ヘルメットやザイルを装備した人に
出会った・・・、と書かれているくらい、登攀の装備を珍しく思っている初心者に
近い人が入山しているのを感じました。 興味本位やうぬぼれで歩ける山域で
はありません。
技術と装備を備えた人だけが入れる山です!
看板はオーバーに表記しているのではありません!
滑落死亡事故が多発している山域です!
楽しい登山で悲しい事故の当事者にならない為にも自粛する事も頭に入れて
欲しいです。 このままでは、妙義山は入山禁止の山になってしまいます。
計画される方は、自分やメンバーの力量や体調も考慮してください。
片手で鎖につかまり、
体重を支える程度の筋力は絶対必要です。