2012.8.3~5
山こじ通信vol.39
 後立山縦走
…半分だけ(白馬岳~唐松岳) 

  
                     白馬鑓ヶ岳より杓子岳と白馬岳(奥)

「後立山連峰」通称「ゴタテ」。後立山は何が「後ろ」なのか?

山岳信仰の古くから開けていた富山県側からみて立山の後ろに控えている山だという説がある。 
しかし後立山連峰という呼び方は、北アルプスが一般登山者に開かれてから通用しだしたものである。 
藩政時代の絵図にも後立山という名はあった。

しかし、それは立山(昔はりゅうざんとも呼んだ)から見て黒部川の対岸の山を後立山と称したのである。 

中島正文氏の説を借りると

「古来、針ノ木峠以北餓鬼岳の間には数座の山々が連列しているが、その最高峰のみ後立山(ごりゅうざんと呼ばれ、残余のものは無名の山として従属的に抱合されてきた。 これが後年に至って後立山なるものが何れの山を指すのか不明となった遠因を作ったものではあるまいか。」
 
 後立が何れの山を指すかについては、初期『山岳』誌上で盛んな論議があったが、ゴリュウ五竜に通じる点から、今の五竜岳であろうという説が勝ちを占めた。
しかしその後いろいろ検討の末、昔の後立は今の鹿島槍に相当することが確定的になった。


 山行行程(2泊3日)2012. 8. 3~ 5
第一日目(予定歩行時間 5時間40分)撮影+小休止 6時間19分
・ 
・・・06:00・・・・・・・・・・・・・06:30・・・・・・・・・・・07:32・・・・・・・・・・・・・09:46・・・・・・・・・・・・・12:53
・ 八方第2P (バス)  猿倉 (1:10) 白馬尻小屋 (2:30) 葱平 (2:00)  村営頂上宿舎(テン泊)      白馬岳頂上往復
・               1240m (58)   1560m    (2:14)      (3:07)    2730m                  2932m
 第二日目(予定歩行時間 7時間15分)撮影+小休止 8時間26分
・ 
・・・06:00・・・・・・・・・・・・・・・・・・・06:54・・・・・・・・・・・・07:54・・・・・・・・・・・08:17・・・・・・・・・・・・08:46・・・・・・・・・・・・・・11:30・・・・・・・・・・・・・・15:05・・・・・・・・・・15:26
・ 村営頂上宿舎 (1:00) 杓子岳分岐 (1:00) 鑓ヶ岳 (20) 鑓温泉分岐 (10) 天狗山荘 (1:30) 不帰キレット (3:00) 唐松岳 (15) 唐松岳頂上小屋(泊)  
・   2730m    (54)           (1:00) 2903m  (23)           (29)         (1:44)   2411m    (3:35) 2696m  (21)   2620m           ・・                
 第三日目(予定歩行時間 2時間20分)撮影+小休止 2時間 8分

・・・07:30・・・・・・・・・・・・・・・・・・08:00・・・・・・・・・・・・・・08:55・・・・・・・・・・09:38・・・・・・・・・・・・・・・10:30
・ 唐松岳頂上小屋 (40) 丸山ケルン (1:00) 八方池 (40) 八方池山荘 (リフト) 八方第2P
・  2620m       (30)          (55)        (43) 1850m           

昨年の山行は秋も終わりの島々谷、あれから10ケ月もの長い間、登山から遠ざかってしまい、足の筋肉もだいぶ萎えてしまっていた。
まだまだやりたい事だけはいっぱいある腕白中年の山こじ。  しかし現実には寄る年波と増える皺、それに反比例して減っていく一方の体力、そのような事実には見て見ぬふりを決め込み、ガキみたいに自分の体力を過信してテン泊フル装備のザック(20㌔)をいきなり背負って出発してしまった。(後先も考えずに・・・)

大好きな剱岳は登っても良い山だが、
        好きな山だからこそ絶好のポイント=真向いのから眺めるのもオツと言うものだ!

行先は、北方稜線の旅に耐えうる体力があるかないかを確認する意味もあり、剱岳の最高の眺めが得られる後立山縦走と決めた。
白馬大雪渓から登り、北から真南に一直線!険しい尾根を辿り、欲を言えば針ノ木雪渓までのロングコースだ。 

 83日(1日目)

  

 帰宅後いつもの如く、わずかな仮眠を摂り、深夜の高速道路を飛ばす。 通い慣れた中央道ではなく、今回は関越道・上信越道でアプローチだ。
                             (白馬に行くには中央道より若干距離が短い)
コースがうろ覚えで心配(新鮮な気持ち?)なので眠気など感じずに長野ICに到着。

そのまま車の少ない夜の道を白馬八方へ。 ストレスなく第1郷の湯のある八方第2駐車場へ到着。3:30

運転から解放され、久しぶりの登山に気分が高まるが・・・今回は気にかかる事がある。
実を言うと、先週、先々週と仕事中に熱中症になってしまい、オッサンの体は病み上がり状態なのだ。

その日は舗装工事で、
仕事中の水分摂取量は7.5ℓも摂っていたのに、
        
体重は何と! 3キロ減!!
 
壊れた老体を労わる為にも、これからの長丁場の為にも、少しで体を休める為に仮眠を摂る。zzz・・・

 静かな駐車場も4時過ぎ頃には薄明るくなってきた。 外の方では、登山の準備を始める音、写真を撮る人の会話、やたらと車のドアを開け閉めする音やらでソワソワしてきた。

「うるさいな~、そろそろ起きたほうが良い時間かな~」と思い、準備の為に車外に出てみる。

外の空気が旨い!! 眼の前は夏のスキー場の白馬だ。 正面の白馬八方尾根のゴンドラリフトが目に入る。

           (この時はお世話になるとは夢にも思わなかったのに・・・)

目指す白馬三山は遥かに右の方、正面には八方尾根のリフト、左には唐松岳が朝日を浴びて輝いている。

     
        鑓ヶ岳(左)と杓子岳                     中央奥に白馬岳

 ○白馬三山

(しろうまさんざん)とは、富山県と長野県にまたがる3つの山(白馬岳、杓子岳、白馬鑓ヶ岳)の総称である。 山域は中部山岳国立公園に指定されている

 ○白馬岳

山名の由来と読み (「しろうま」か「はくば」か?)

山名の由来となった6月頃に現れる代掻き馬の黒い岩肌。
江戸時代の中期頃までは信州側では「西岳」「西山」と呼ばれ、越中や越後では白馬岳・小蓮華山・白馬乗鞍岳を蓮の花に見えることから「大蓮華岳(山)」と呼ばれていた。

今でも北に連なり新潟県の最高峰である小蓮華山蓮華温泉にその名残が見られる。 また西側の越中では上駒ヶ嶽と呼んでいた。 これに対する下駒ヶ嶽が北に存在している。
「しろうま岳」の名前の由来は春になると雪解けで岩が露出し黒い「代掻き馬」の雪形が現れることから、「代掻き馬」→「代馬」→「しろうま」となったものである。 
つまり本来の表記は「代馬岳」であるわけである。

   白馬というよりネガだから黒馬?

1883年に北安曇野郡長と大町小学校長渡辺敏ら登頂の際に、「白馬登山記」を表記を残している
1915
年(大正2年)には陸地測量部による五万分の一の地形図に「代馬岳」ではなく「白馬岳」と記された。
地元で「しろうま岳」が早くから「白馬岳」と記述されていたことによる表記の変更であることをうかがわせる。

白馬」「しろうま」の当て字であるから「はくば」と読むのは本来は誤りだが、地元で「白馬」「はくば」と読むことは古くから行われており、白馬山荘をはじめとする白馬連峰一帯の山小屋を経営している株式会社白馬館は、1890年に現在の白馬駅前にあたる場所に登山者向けの旅館「山木旅館」を建設し、1916年には「白馬館」と改名した。
また、
1906年には現在の白馬山荘の位置に山小屋「頂上小屋」を設置し、1915年には「白馬山頂小屋」と改名している。
また、
1908年には白馬尻小屋を設置しているが、これらは「白馬」を称した当初からすでに「はくば」と読ませている。

 その後も1956年(昭和31年)930日に合併で発足した白馬村「はくばむら」と呼ばれ、1932年(昭和7年)1120日に開業した大糸線信濃四ツ谷駅1968年(昭和43年)101日に白馬駅と改名され「はくばえき」と呼ばれている。

 現在では山と高山植物の名称以外の多くが「はくば」と読むのが正式名称とされており、「しろうま」と読むことは誤りである。
この山を「はくば」と呼ぶことは地元の村民を中心に
一般化しており、山の名も含めて「しろうま」と読む人はほとんどいない。

八方第2駐車場は道を挟んだ向かいにバスターミナルがあり便利だ。 そこには既に25人位が猿倉行の便を待っている。
待っている間にも、高速バスやツアーのバスが横を通るが、どの車もリッチそうなハイカーで満員だ。 

彼らの多くは大雪渓から白馬岳に登り、いまや雲上のリゾートホテルにまで巨大化した白馬山荘に泊まり、スカイレストランで自慢のビーフシチューを食べ、景色を見ながらお茶とケーキ、会話を楽しみ、翌朝は絶景の中、3000mの稜線漫歩を楽しみ、日本最高所の白馬鑓温泉で温泉に浸かって下山。・・・う、うらやましい。

否っ! まだ、うらやましくはない!・・・が、これも日本の中高年の登山スタイルだ 

彼らのおかげで登山産業が潤っているのだ。 
すべての人がテントを背負ったカタツムリの様な貧乏登山(失礼! 言い方を変えると財布にやさしい自炊自活登山)では山小屋など維持なんか出来ないし、テントやザックなどの装備の産業もLEKIのストックを筆頭に目ん玉が飛び出しそうな(目ん玉が飛んでいっちゃいそうな)高価なグッズを簡単に購入できる、豊かな年金生活者や定年富裕層があればこそというものだ。

一般庶民の我々の待つアルピコ交通の少しやれた路線バスは定刻どおり6:00発で猿倉着は6:30だった。

    早朝から登山客で賑わう猿倉荘

終点登山口の猿倉は早朝からマイカーやタクシーやツアーバスで到着した登山者でごった返していた。 
さっそく登山届を提出し係りの人のチェックを受け、いよいよ登山開始だ。
06:38
猿倉荘からしばらくは砂防工事の為に開かれた林道を歩く。やがて灌木帯を抜け、空が広がり始め小蓮華山の稜線が見えるようになるが頂上は遥かに遠い。

林道と別れ堰堤を越え、やっと登山道になり、暫く歩くと白馬尻小屋だ。07:32

     
            お疲れさんっ!                     いよいよ大雪渓!

皆が写真に撮る、「ようこそ白馬大雪渓へ」と刻まれた大岩の「おつかれさん!」の意味がよ~く解った。 
久しぶりの登山に加え、
20㌔のザックを背負ってきた体は、ここまでの行程で、すでに汗だくだ。 
小屋の少し先からが今日の本番の大雪渓なので、まともに座れる場所はここしかない。 ほんとうにおつかれさんっ!

コーラを飲みながら大雪渓や残雪のある稜線を眺め一息入れる。

 いよいよ日本三大雪渓のひとつ白馬大雪渓の登高だ。
07:56

  
                           蟻んこの列が続く大雪渓

 ○白馬大雪渓

針ノ木雪渓・剱沢雪渓とともに日本三大雪渓に数えられ、標高差600m、雪の多い年で長さ1㌔・幅は最大箇所で100mである。 
大雪渓を列をなして登る登山者の光景は、
白馬岳の夏の風物詩となっている。

 

樹林を抜け、いよいよ大雪渓が見えた。 雪渓の末端では大勢の人がアイゼン装着で混雑している。 
白馬尻小屋
では
1000円でアルミの板で出来た4本爪の簡易アイゼンを売っていたが、装着の仕方が分からない人が多過ぎて、人の流れが留まってしまっている。 
腰を下ろす場所が無いので仕方なく雪渓の中で、唯一この為だけに持ってきた
6本爪のアイゼンを装着する。 
このアイゼンを使うのは2006年の甲武信岳以来で、購入してからの使用はたったの3回目だ。 
6本爪アイゼンなどの出番はほとんど無いのだが、久しぶりに今回は必要みたいだ。

いよいよ雪渓に踏み込む。歩いてみるとアイゼンの爪が、短か過ぎて雪を噛まないので歩き憎い。 
さらに蟻んこの如く一列に連なっているので、一息入れることも追い越すもできない状態なので、最初から列には加わらず
23m横をスプーンカットの雪形に足を合わせながら腐った雪を登る。

 空は青く雪渓を吹上げてくる冷風は
      心地良いのだが、何しろザックが重くて辛い!
 

あまり前のめりになると爪が短いのでスリップしてしまい、転ばない様に反射的にバランス保持する度に疲れが増してくる。 
当然雪渓上なので直径
5060㎝位の大石の転石がいたる所にあるので休憩は出来ない。 
その大石の上で休憩している人はもちろん大勢いるのだが、彼らは落石の危険どころか、今自分が腰かけている大石が何故そこにあるのかさえ解っていない。 

いい加減にへたばって来た頃、やっと葱平(ねぶかっぴら)に到着。09:46

     
          葱平(ねぶかっぴら)                  登って来た大雪渓

ここでも、すぐ上がザレ道で登山者の起こす落石の危険があるのに、何もを考えずに座り込む人が大勢いた。 
疲れているとはいえ場所も気にせず腰を下ろすのは危険である。
山では安全な場所はそんなに多くは無いのを自覚しなければいけない!

ここからは夏道のザレた階段状の道の連続である。 コンパスが短いのでところ構わず足を置く年配のご婦人が眼の前で落石を起こしてしまい、山こじがすかさず「らぁ~~くっ!!」と大声を出し後方に知らせる場面もあったが、当の本人は何も気に留めていない。 

無知なハイカー登山の怖さが窺い知れる。 涸沢で起きたおじいちゃんと孫の転落死亡事故も、ザイテングラードの上部の不注意な人の起こした落石で下部にいた人が亡くなっている。

歩幅や段差がバラバラで歩きに憎い道が続き大汗を掻いて登っていると前方にステップカットされた雪渓がある。 
ここは小雪渓。 それを過ぎた先にグリーンパトロールの駐在する避難小屋があり横が水場だった。 
さすがに冷たい水の流れの誘惑には勝てず、疲れたので休憩した。

正面には杓子岳の天狗菱がそびえており、避難小屋の先の平坦な所にはお花畑がひろがっていた。

     
        天狗菱と避難小屋、                    クルマユリ
   グリーンパトロールが常駐しています
    小雪渓上部など亜高山帯から高山帯の開けた
                                                高茎草原に生える
                                   

花を愛でつつも厳しい登高は続き、やっと村営頂上宿舎の屋根が見えてきた。
ほうほうの体で頂上宿舎に到着。まずはビールで乾杯!!12:52

     
         村営白馬岳頂上宿舎            今日の寝ぐら確保、この後テン場は満杯!

テントの受付をして設営を済ませ、今日の寝ぐらの確保ができたので安心して大休止。 
隣のテント組の人達との山談義を楽しみながら横になると、いつの間にか寝てしまった。zzz

おっといけないっ!
 今日のうちに白馬岳の頂上往復を
               済ませて置かないと!

     
      人、人、人の白馬岳山頂    新田次郎の「強力伝」 小宮正作こと
                              小宮山 正氏が持ち上げた五十貫(約187㌔)近い石

     
        登って来た大雪渓                    頂上より三国境

     
日本一の雲上リゾートホテル、白馬山荘 1200収容   白馬村村営頂上宿舎(こっちにはテン場がある)

84日(2日目)

  

テント泊は日没早々に行動を終わらせ、何もすることがないので眠るしかない。
たぶん7時には眠ってしまったので、現在時刻02:30でも睡眠は充分なのだ。
しかし、高校生の山岳部(?)の団体が、こんな真夜中にコッヘルのぶつかる音やらテントのファスナーの開け閉めの音をたてて騒々しい。
たまらず近くのテントから「やかましいっ! 何時だと思ってるんだっ!」と怒鳴り声があがる。 
合宿と違い、テント泊をメインの楽しみにしている登山もあるのだ。

 しかし、夏山とは言え、3000m近い稜線でのテント泊は寒い!
さすがに夏専用のモンベル#7(10℃~3℃対応)のシュラフだけでは眠れないので、上はダウンを着て、下はタイツを履いて丁度良いくらいだった。

もうオリオン座が夜明け前の東の空に見え始める季節になってきている。 下界はまだまだ暑い日が続くが、確実に山は秋に向かっている。

4時前位から山靴のザレ石を噛む音が聞こえてきた。
ヘッドランプをつけた若者のパーティが一組、また一組と出発し、テントの数が半分になった頃、オジサン達や家族連れや、社会人の山愛好家達の朝餉が始まる。

 若者の合宿みたいにガツガツせず、
       誰にも強制されていない、自由で楽しい山の朝だ。

 
思い思いにバーナーで火を起こし、朝食のひと時を楽しんでいる。 山はやっぱりコレだね!!

近くにテントを張った一夜の友人達に別れを告げ、今日の行動開始! 06:00
今日の行程は唐松山荘までだ。 途中には不帰ノ瞼が控えている。

右側に剱岳の雄姿が際立つ立山連峰、今歩いている後立山連峰、最高の天気に恵まれ足取りも軽い!
                                          
(朝のうちだけだったが・・・)

     
        男まえっ 剱岳                     毛勝三山
                          (左から猫又山2378m、釜谷山2415m、毛勝山2414m)

     
     振り返ると朝日を浴びた白馬岳2932m  行く手には杓子岳2812m(左)と白馬鑓ヶ岳2903m

早朝の気持ちのいい冷気の中歩いていると、足元には・・・。

  
          どっちを選ぶ?ってか!  そりゃぁ・・・・

Which do you choose,
           gati or hetare?

→に従って上を見ると

  
 
      思いっきりガチ!
  

前方は・・・ 

   
   なだらかぁ~~

                 おっ♡ へたれ先行者発見!

選んだのは当然!・・・・・ネ!
   
    
これだけ差がある  ワタシハ平和主義者デス、無理ワイケマセンデス、ハイ。

だって今からこれを登るんだもの 07:11 

  
   
縦走なので逃げ道はない! 山は逃げない(逃げられない)?

 ザレた道を登り詰め白馬鑓ヶ岳到着07:54

     
           最高の天気!                    鑓ヶ岳頂上2903m

振り返ると

      
  白馬岳からのルートが一望だ!

鑓ヶ岳から鑓温泉への下り

     
        ザレ道です。 スリップ注意!               これだけ下りました。

分岐08:17 
  
  

 鑓温泉分岐08:17  ここで、温泉へ向かうハイカー達とはさよならだ。

 この先は好事家の領域とも言える困難な不帰(かえらず)ノ嶮が控えている。

天狗山荘到着。08:46

     

     
        ここは縦走の穴場です! 楽園です♪ 最高です♡♡♡

雪田が眼の前にあり、雪解けの冷たい水が豊富で、さらに池まで。

顔を洗いタオルを絞って・・・
    あ゛~~くぅ~ 
        生き返るぅ~~!!


雪渓を登りつめた初日に、ここまで足を延ばすのはオーバーワークで無理だったが、一度は泊まってみたいところだ。

  
  う~ん・・・この看板を見たら、これからの困難なルートが思いやられる

山荘をでてからしばらくは天狗尾根の快適な道が続く。
         天気は最高、右には剱岳・毛勝三山・富山湾・・・遠くに黒部ダム

     
            快適な天狗尾根                    天狗の頭2812m

     
   貸切状態のプロムナード・・・先行者にちぎられた?     ズームすると黒部ダムも 

ご機嫌な道もだんだんと残り少なってきた。 何故わかるかって? それは・・・

  
   前方はこんな景色だもんね~♪

                         そして標識には天狗の大下り! 

不帰ノ嶮の最低鞍部まで、標高差300mほどの急下降となる。
 
もちろん鎖も落石もありの厳重注意ヶ所である。 

先行者との距離をとってから下り始める。

     
    鎖あり落石ありのザラザラの道?崖?               天狗の大下り          

さて、いよいよ不帰ノ瞼に突入だ。

   
              これが全貌だ! 
左から1峰、2峰の北峰、2峰の南峰、3峰、唐松岳、五竜岳。

                左に伸びるのは、不本意ながら結果的に下山ルートになった八方尾根。

   
   

     
          不帰1峰の登り                         不帰1峰

不帰1峰は岩場があるが、ほぼ稜線伝いに登り難無く通過。

  
                         不帰2峰の北峰核心部

  

                      登り途中で下を見ると・・・最高(本当は汗、汗)!!

2峰北峰の核心部の登り、 梯子の手前で下をみると・・・。

     
    核心部に中間地点の梯子を渡る                 この高度感♡

     
         垂直の梯子を登り・・・           一度尾根の肩に出て(オッサン苦しそう・・・)

     
         頂上の基部を左に巻いて、・・・    2峰北峰に到着。最大の難所を越えた事になる。

     
        今度は2峰南峰の登りだ。                2峰南峰に到着。

すでにクタクタで「どうにでもなれっ!」の気分だ。

     
           2峰南峰の下り                    3峰の登り (顔が泣いている)

南峰を緩やかに下り、黒部側の急登を這いつくばって3峰の基部を回る。

     

           唐松岳頂上2696m                 やっと着いた、唐松岳15:05

     
  眼の前には威風堂々の五竜岳が構えている。        唐松岳頂上小屋2620m

 85日(3日目)

  

 唐松岳頂上小屋のテン場は既に満員だったので、小屋泊まりにした。 
一時は布団
3枚に10人詰め込まれる恐れがあったが、6人で済んだ。
しかし小屋全体の人数が多いので人いきれで暑くてたまらなかった。

今日はコースの変更を決めた。撤退です! (苦渋の選択なのです!)

まだ残り
2泊は山中に留まり扇沢を目指す予定だったが、左の膝の故障が回復しない、段差で足が持ち上がらないのだ。 
たとえテン泊装備を背負っていても、ハイカーに毛の生えたレベルの人達(失礼!)の後塵を浴びた事は無かったのに・・・。
今回は全く太刀打ちが出来ず、かえって引き離される屈辱を経験した。
(泣)

この先のキレット小屋の混雑、予報では雨天になる月曜日の八峰キレットの通過と全く膝を休める事など期待できないルートだ。 
ここは自分の老いさらばえた体力を自覚してエスケープを決め込む事にした。 
次回来るときはテン泊装備ではなく、小屋泊装備で快適にキレットを通過したい。

 小屋で同宿だった人達を見送った後、朝日輝く中を八方尾根より下山する。07:30
途中はハイカーとすれ違う事が多かったが、所詮山ヤの使うルートではないし、背中の大きなザックが恥ずかしい下界までの時間だった。

     
          天狗の大下りと不帰ノ嶮                  丸山ケルン

     
               八方池               八方池山荘1835m ここからはリフトで下山

     
    大きなザックでリフトは恥ずかしい・・・・・。           でも快適♡ 楽ちん♪

      
    八方美人ラーメン・・・美味しかったです        親父臭い汗を流してさっぱりしました。


                           TOPBACK