2005.7. 17
  山こじ通信vol.3
  雲取山2017m
   
 
   はじめての2000m級登山


 山こじ、登山デビュー3回目にして2000m級の山に挑戦
 
        雲取山・・・・・東京都最高峰の山。  



 <しゅっぱーつ>
 朝1時30分起床。  (ふぁー)  まだ眠い・・・・。  イカンイカン三蔵師匠は寝ずに帰宅後
すぐに奥多摩へ向かって走っている頃だ。   ザックを担ぎ、新妻ちゃんに見送られ、車の人
となった。   朝と言っても、今の時刻は2時、世間の人はまだまだ眠っている時間だ。    
行きかう車も少ないR 407バイパスを快調に飛ばす。
 青梅を抜け、吉野街道を走り、古里にむかう。  春には、櫻のきれいな街道だが山こじ
走ると、なぜか雨が落ちてきた。  う〜ん、やっぱり山こじは雨男なのか?
 古里でコンビニに寄り食料を買い込む。  時刻は3時、三蔵との待ち合わせまであと1時間
だ。  コンビニを出てすぐに三蔵からTELがはいる。  もう奥多摩湖に着いているらしい、
待ち合わせの場所の変更を連絡してきた。
 3時30分、三蔵と合流。   仮眠しようとしていたら、警察官に駐車禁止と言われ、移動さ
せられたらしい。    落ち着かないので、このまますぐに林道の終点まで走ることにする。 
 真っ暗な湖畔沿いの、くねくねした道をしばらく走る。  
 (くるまが四駆でなくカプチだったら楽しいだろうな、でも横に乗っている三蔵は酔ってしま
うだろうな)・・・・などと考えながら山こじなりの安全運転で走る。   湖のはずれのお祭りと
いう部落から後山林道は始まる。    林道に入るとすぐに道が荒れ、三蔵がうるさくなる。

 三蔵    「あんまり端っこを走るな〜。   お・落ちる〜〜!

 山こじ   「うるさい!!  まだ路肩まで1mはある!!」

 三蔵    「ぎゃぁ〜ひぃ〜・・・・・・・・・・」 
                          (山こじは無視しているので聞こえない)

 さらに奥へと走らせていると工事の看板がある。  何々、林道補修工事のため通行止め?
   

 山こじ   「どうする?」

 三蔵    「行ける所まで行くっきゃない!」

 途中、釣り人の車があったので道の状況を聞くが、やはりこの先は通行止めになっているら
しい。     カーブをいくつか曲がり、荒れている路面に注意しながら、さらに進むとついに工
事現場が出てきた。

 山こじ   「ここまでだな。   ここにくるまを止めよう。」

 時刻は5時、結構時間がかかったなあ〜と思い、やっと終わった運転にホッとする。

      



  林道終点にてまだ元気な山こじと三蔵

 <後山林道>
 ひと息入れ、出発の準備を始める。   相変わらず、山こじはモタモタして三蔵に急かされ
る。   あれもこれもと欲張ってなかなかザックを閉じるまでにならない。
 情景が思い浮かばないから、必要・不必要の見切りが悪いのだ。 5時45分出発。

              (経験の差です!)  by三蔵
 
 林道というのは、先が見え過ぎていてなかなか距離が進まないようで、結構つかれる。   
しかし、三蔵はズンズンと歩いて行く。   (おかしいな? 寝不足のはずなのに・・・・)
 早朝の空気を吸い、木々の青さや鳥のさえずりなど師匠は余裕の林道歩き。
かたや山こじはというと「ハアハア、ぜえぜえ」と周りのことなど目にはいらない。
 三蔵のペースにフラフラとやっとのことで付いて行くうちに・・・・林道の終点だ。

 山こじ  「やった〜林道の終点だ〜!」
 
 三蔵   「アホか!林道が終わっただけで、登山はこれからじゃ!!!
 
 くたびれ果てている弟子を思ってか、ここで小休止、一服がうまい!
 ここまで林道歩きに50分もかかった。    時刻は6時35分。

 <登山口〜三条の湯>
 さすがに、百名山。  よく整備された道で、三条沢に沿って、ゆるい勾配ながら森林浴も御
一緒にと言わんばかりの道が続く。   しかし、三蔵のペースがやたらに速い。
 山こじは、さっきの休憩で取り戻した体力をあっという間に使い果たす。
 
 三蔵   「どうした! 俺の師匠なんか、もっと速いんだぞ!!」

 と三蔵の激が飛ぶ。  しかし山こじの足はまったく動かない。   周りの景色なんかどうで
もいい、なりふりかまわずに歩き続けるのみだ。   しかし、そんな三蔵も木の橋が出てくる
と、及び腰になる。   ここは面目躍如!   山こじはスイスイと渡って、三蔵に
手を貸す。


 

     これくらいなら大丈夫



こうなるとびびる三蔵   (その証拠にカメラがななめ)

やがて、前方に大きな建物が、「三条の湯だ」。   人の目があるので山こじはとっても、無理
して平然を装う。
 ここまでガイドブックでは40分のところを我々は15分で到着。


 <三条の湯〜雲取山頂>
 やれやれと、山こじは完全にグロッキー。   しかし、登山は始まったばかりだ。
三蔵は絶好調!  ここで老夫婦の登山者と出会い、二言三言話す。   
 
 老夫婦   「若い人は良いね〜、私たちはゆっくりだから。」

 山こじ   (ぜんぜん良かあない。  もうへろへろじゃ〜)
 
 我々の方が先に休憩していたので、当然『お先に!』と言って出発した。
三条の湯の建物の前を通過すると、いきなりの急勾配だ。    横の岩肌には冬季のために
鉄の鎖がアンカーを打って取り付けられている。   この付近は湧き水が登山道に流れ込み
グチャグチャだった。   もちろん、冬季は完全にアイスバーンとなるのだろう。   二段・三
段構えの急勾配が待ち構えていて、山こじは・・・・・

完全に、グロッキィ〜!!!

 ここから、思い出したくもないつら〜い難行・苦行の連続だ。
絶不調の山こじのために三蔵がたびたび待つと言う状態がつづいた。
 
 三蔵   (大丈夫かな〜  頂上は無理かもな〜・・・)

と思っていたらしい。
 
 だいたい10歩くらいで『はぁはぁ・ぜぇぜぇ』山こじの足は止まってしまう。
三蔵もそんな山こじに付き合っているうちに調子か狂ってしまったらしく、休憩に付き合ってく
れる。  そんな我々の後ろから、高校生らしき2人連れが
『のっしのっし、ぐいぐい』
と言った感じで追い抜いていった。 
  
 山こじ    (ほ、欲しい。  そ、その体力〜。)

 その2人の後ろ姿に『若いって素晴らしい』と思う山こじと三蔵であった。
 


   山こじのヘばった姿を大公開!     
                                     by三蔵

 ほうほうのてい(この言葉はいままで使ったことがなかったが、今回はこれほどピッタリの表現
は無い)三条ダルミに到着。  ここでも山こじはくたばる!




三条ダルミにて余裕の三蔵               
       (ちょっと一服)

 10分程の休憩の後、いよいよ最後の踏ん張りを出して、山頂への最後の急登だ。
ガイドブックには、一気に 250mのあまりの標高差とあるが、下調べの時に活字で読む
のとは違い、これはもうただの嫌がらせとしか思えない急坂だ! つづら折れの道を
ひと曲がりするたびに息を整え、なんども立ち止まり、やっとのことで山頂に到着。

  

     寝不足もなんのその
           余裕の三蔵師匠!



今回はまったくさえない山こじ     

 頂上はさすがに百名山。   結構、たくさんの登山者がいた。(さっきの醜態を見られなくて
良かった)    気温は7月だというのに、14℃しかないので、運動をやめると、寒いくらいだ。
 ガイドブックの通りに頂上にはきれいな避難小屋があったので、我々は小屋の中で昼食とし
た。  三蔵はパンとスープ、山こじはカップ麺とおにぎりだ。  食事の後、三蔵は昼寝を始
める。  小屋の中は広くて布団まで備わっていた。  利用者のノートがあったのでそれを読
みながら、時間をつぶす。
 (結構、冬にも泊まっているんだなあ、寒いんだろうな〜)とあこがれの山小屋泊を想像して
いると蜂が閉じ込められていたらしくでっかいのを3匹退治した。
 我々が到着した時間より1時間遅れで、三条の湯で出会った老夫婦が到着した。
山こじは追いつかれなくて良かったと真剣に思った。
 この日の天気は雨が近いのか雲っていてあまりよい景色とはいえなかったが、一瞬の隙をつ
いて富士山が顔を覗かせてくれた
          


     幸運にも拝めた富士山 手前の山並みは小金沢山〜大菩薩へと続く

 <山頂〜三条の湯>
 いよいよ下りにとりかかる。   案の定、膝が痛い。   登りで筋力を使い果たしているの
で膝の周りの筋肉がマヒして関節を保護出来ていないかららしい。   
 ただでさえヨレヨレなのに足までカクカクして傍からみても笑える図だ。
三蔵も膝に古傷があるので2人して情けない格好で、登りでヘバッタ急坂にほとんど同じ時間
をかけ三条ダルミに到着。  膝が激痛の2人は下りというのにここでもう休憩となる。  ここ
からは勾配がゆるやかになるので、山こじは少し楽になったが、登りの元気は何処へ行った
のか三蔵のペースがあがらない。   この膝痛は登りや平坦な道では症状はでないが、下り
になると激痛がはしる。   しかし、ゆっくり歩くこともできず、勾配に任せて転がるようにしか
歩けない山こじ三蔵より先走っては待つの繰り返しだ。
 途中、湧き水があったので天然のミネラルウォーターをいただく、冷たくて旨い。
だらだらと長い下りをやり過ごし、鉄の鎖にしがみついて、やっと三条の湯に到着。

 


 三条の湯でジュースを飲み、顔を洗って生き返る

 <三条の湯〜後山林道>
 ここまで来ればもう安心と思ったら大間違いだった。   林道の勾配でさえ、我々の足には
激痛が走るのだ。  スピード調整の出来ない山こじ三蔵に声をかけ、ズンズン闊歩して進
む。   三蔵は足を引きずるようにノロノロと歩いてくる。
 まったく膝痛というのは困ったものだ。   ノロノロ歩きも困るが、ズンズン歩きでは転んで
怪我をする危険がある。   一日も早く解決策を考えねばと思う。
 やっとのことでくるまに戻ってきたが、工事のせいで林道を歩く人がたくさん登ってくる。   
皆、あえぎながらでも登ってくるのを見ていると山が好きなんだなと思った。
 帰りの運転には膝痛は支障なく、自宅まで問題なく着いたが、くるまの乗り降りや階段が地
獄の苦しみになった。  真剣に膝痛克服を考えねば・・・・・・。

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