第四日目(8月16日 晴れ〜雨)


今日は山こじの誕生日だ! 
同宿の松本さん「きっと、何か良いことがあるよ」と言ってく
れた。
朝も朝! 
山こじは人の少ない早朝の5時から妻籠の風景をカメラに収めるべく自転車を転がしながら
表に出た。 同じ考えの早起きの人達が一眼レフのカメラを抱えてうろうろしている。
絵葉書等で有名な"いこま屋"の所で写真撮ろうとしたが、まだ明るさが足りないのか?シャッ
ターが下りない!
10分程粘り、やっとカメラに収めた。 



30分間程、何時までも見飽きる事の無い絵葉書みたいな町を写真に収め宿に戻る
と、やっとご主人や奥さんが起きだしたみたいで、朝ご飯の準備を始めていた。 
しばらくすると、宿の主人はネクタイを締めて会社に出勤して行った。
民宿の主人と会社員の二足のわらじだ。 やっぱり、民宿だけではシーズンオフもあることだ
し、やっていけないのだろうか?
 朝食を済ませ、自転車にバッグを付け出発の準備をしていると・・・
 じゃじゃ〜〜〜ん!! 
      来ました! ついに来ました良いことが!!
同じ民宿に泊まった数人の女の子達が・・・
「すみませ〜ん、一緒に写真を撮らせてくださぁ〜い♪」とやって来た。
当然!鼻の下を伸ばして山こじは写真に収まった。  (おバカですね〜)



彼女達は名古屋から来た女子高生で、今日はもう旅の最終日らしい。
 彼女達と別れた後、妻籠の外れまで行こうとしたら行き過ぎてしまい、吾妻橋まで行ってしま
った。 下ってしまった道を馬籠峠801mへと上り返した。
頑張ってペダルを踏んでいると、左の膝が痛み出した。 
普通の痛さじゃなく、膝を曲げる事ができないくらいだ。 それでも頑張ってなんとか峠にたどり
着いた。
普通ならたいした事ない峠だが、今日はきつかった!!(疲労のピークか?)
 馬籠峠を下り始めると、すぐに峠という名の部落があった。 
それを過ぎると、ものすごい下りが出てきた。 馬籠宿も下りの途中にあって、平らな所どころ
か、自転車から降りないと転んでしまいそうな坂ばっかりだった。
馬籠宿の町並みは妻籠宿と違い、建物が古そうなたたずまいを残しているのに、その横にデ
〜ンと自動販売機が置かれていたりしている。
山こじ、全くしらけてしまい、藤村の記念館にも寄らずに先を急いだ。
道をさらに下っていくと新茶屋という部落に出る。
"これより北 木曽路"の碑をカメラに収め出発!



「石畳入り口」と言う札があったので、少し下ってみたが自転車が壊れそうなので、元の道に
引き返した。 (十曲峠への旧道です)
 下り着いた所が落合だ。 R19沿いに出たので、一路北上!とペダルを踏んだ。
休みもせずに走り、南木曽駅には11:00に着いた。
 左足は相変わらず思うように動かない。 
But、しかし、とにかく、とにかくペダルを踏んだ。 右足のストラップをきつく締め、左足はク
リップに入れているだけという「片足走行」だが、それでもペダルを踏み続けた。
                                (たぶん腱鞘炎だと思う)
"試練"と言う文字が頭をよぎった。なぁ〜んちゃって♪ 
                    (事の重大さを解っていない。若さはバカさに通づる)
途中、景勝地の"寝覚ノ床"に寄り、木曽福島には14:10に着いた。
ここからは開田高原を通り長峰峠を越え、岐阜県側から野麦峠へ行く予定だったが、ここで
時間的に考えても無理と判断し薮原から境峠を超え寄合度に出るコースに変更した。
またまた左足に鞭打って薮原へは15:05に着いた。 (♪バカさゆえ〜苦しみ〜・・・)
「サ〜いよいよ峠越えだ」 早速買出しをして観光案内所により、道を確認。
ん〜・・・困った!聞く人によって峠までに掛かる時間がまちまちなのだ。
案内所では1時間程度だと言うし、買出しをしたスーパーでは「車で行くと10分位だから自転
車でも30分で行けるよ」と言うのである。
あまりにも違いが大きいので、あてにしないで出発した。 唯一の目安は駅前の観光案内地図
で見た"橋を5回渡れば峠だ"ということだけだ。
後ろからもすれ違う車もない静かな峠道を一人ひたすらペダルを踏み、別荘地を通り過ぎ、
16:54ついに境峠1486mに着いた。 またまた、一人、ジュースで乾杯した。
                              (結果的に一時間半以上かかった)
空模様はあまり良くない、見晴らしも全く無い。 さらに一雨来そうなので、長居は無用とヤッケ
を着込み下り始めた。
 寄合渡には17:16に着いた。 左に行くと野麦峠へ行く道だ。
走り出してすぐに雨だ。 近くのバス停に逃げ込んだが、ただの雨ではなかった。
しだいに強くなってきて、雷はゴロゴロ、嵐のようになってきた。
さらに悪い事に、逃げ込んだバス停はオール鉄製の代物ときたもんだ。
                                   (ひょっえ〜!!)
「これは、やばいっ!」 
山が近いので雷が落ちる危険があるので、ひたすら雨の止むのを祈った。 
20分程雨宿りしていただろうか。 少し小降りになってきたので、「それっ!」とばかりに上
ってきた道を下り始めた。
1分も掛からずに元の場所に戻り、すぐに宿探しをした。
最初に訪ねた旅館では、・・・
「今日は満員だから! 
   近くにもう1軒旅館がありますから、そちらへ・・・」
 ・・・と言ってきた。 
体のいい断られ方だとは思ったが仕方が無いので、言われるままもう1軒の方を訪ねると・・・。
「昨日までは満員だったけれど、
  お盆が終わって皆帰ってしまったので
                今日はあなた1人だけですよ。」
 ・・・と言われ泊まることができた。 (やっぱり・・・)
最初に訪ねた旅館は、汚い格好で、お金も無さそうだと思って面倒くさかったのだろう。
 しかし、お金が無いのは事実なのだからしょうがない ! (汚いのも事実だ!)
早速、宿泊費の交渉をしてみたが、
  「素泊まりだと、どんなに勉強しても2千円位」と言う返事だ。
 山こじ、ここでちょっとイロをつけて「1泊1食」でお願いした。
これでやっと、寝ぐらを確保して落ち着く事ができた。 (やれやれ)
夕食は、旅館特有のあり合わせ?間に合わせ?と言いたいような献立で登場した。
腹が減っている山こじは、恥じらいもなく3杯もお替りをして、さあ〜風呂だ♪♪。
風呂では、今までに貯まった洗濯をしたが、あまりきれいにならないので諦めた。
部屋に戻り、洗濯物を畳の上に広げて干した。 やることもないので早々に就寝。
本日の走行 102.8q

第五日目へ続く



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